モスとの出会い
モス=苔(コケ)が、だいぶ前から流行っていることは知っていた。苔玉などを作ったりして楽しむ人が増えているらしい。
別に流行に乗ったわけではないが、最近、いいなと思うようになった。
きっかけは新聞をチラ見した時、コラムになっている記事を見つけたこと。
『コケはなぜに美しい』という本が紹介されていた。
この本を探しに書店に行ったが店頭になかった。代わりにあった苔の本は、苔テラリウムという瓶の中に苔を植えて楽しむやり方を書いた本だった。
パラパラと見て、かなり詳しく植え方などが書いてあり、苔テラリウムの作り方は別に要らないのになぁと思っていたが、コケの特性を表現する言葉に目を引かれた。
「繊細で多彩」
「進化という上昇志向を抱かず、悠久の時を生きてきた」
「つらいときは休眠してやりすごす」
という言葉。
なんか、今の私に染み込むことばだなぁ。
コケにすごく親近感を感じて、その本を買うことを決めた。
私たちが注目するより数億年も前から、もの言わず黙々と生きてきた。
水分がなくてカラカラになっても枯れてしまわず、次の水が来るまで身を寄せ合ってじっと待つ。一度水が来ると、一気に全身から吸収して美しい緑色を取り戻す。
そんな苔をいいなぁと思っている。