母はなぜ子を肯定できたか?
さかなクン、盲目のピアニスト辻井伸行さん。それぞれのエピソードを以前テレビで見た。
うろ覚えのところもあるが、こんなエピソードがあった。
まずは辻井さん。
まだあかちゃんだったころ、お母さんがあるクラシックのCDを流していると、ごきげんになるので、繰り返し何度も聞かせていた。
しかし、そのCDが破損してしまったため、お母さんは同じ曲のCDを買った。でも、彼はあまり反応しなかった。そのCDは違う人が演奏したものだった。
まさかと思ったが、再度、全く同じ人で同じ演奏のものを聞かせた。すると、また喜んでご機嫌な様子に戻った。彼は、その2つの音楽を聴き分けていたのだ。お母さんは驚いた。
さかなクン子どもの頃のエピソード。
さかなクンは子どもの頃から、絵を描くのが大好きだった。小学校の先生との面談の時、「絵もいいけど、もう少し学校の勉強を頑張ってほしい」と言われた。
お母さんは、「この子はこれでいいんですよ。」と言ったという。
これを見て、すごいなぁ、こんなお母さんがいたから彼らはのびのびと個性を伸ばしていけたんだろうなと思った。
そのお母さんたちは、どうしてそうできたのだろうか?
学校の先生を前にして、この子はこれでいい、と言い切れるだろうか。
それは、子どもの「感性」に気づき、それを愛し、尊敬していたからだと思う。
魚くんにある、魚に夢中になったり絵を描く感性に。辻井さんにある、あふれんばかりの音楽に対する感性に。
その感性に感動し、尊敬し、応援してきた。
それができるお母さんもまた、素晴らしい感性を持っていたと思う。
感性と感性が響き合う。
子どもたちの感性に敬意をはらい、見つめ、私たち大人もそれをいっしょに楽しむ余裕をもとうと思う。自分の感性を使って。