2020年宇宙の旅
何かのタイトルとかぶせた感があるが、来年4月からの話である。私の息子が小学生になる。
私は、歳を重ねるにつれ、学校教育に否定的になっていった。自分の価値を高めるために成績をのばそうと必死だった学生時代。努力でカバーしてきた定期試験や受験勉強と違った就職活動の挫折。早いスピードで劇的にかわる世界の様子。そんなことから、今の学校教育は何十年とあまり変わっておらず、それでいいのか?という思いがぬぐえなかった。
もうすぐ息子が小学生になって、その教育の世界に入っていくことにあまり喜べず、成績もどうでもいいと思う。それよりも、自分に興味があることを見つけてほしい。
だが、ある本を読んで少し気持ちが動いた。
黒川伊保子『母脳』。最近黒川さんの本にハマっている。
黒川さんは入学する6歳の息子に、こう言った。
「人は、問題解決力を手に入れるために学ぶ。全ての教科が、まったく違った方法で、それを教えてくれるわ。あなたが大学院まで進むなら、20年近い勉強生活が待っているけど、問題解決の方法を知るのは、ほんと楽しいよ。どうか、存分に楽しんでね。」
こんなにちゃんとなぜ勉強するのかを、自分なりのことばで子どもに言える人がいるだろうかと、感動した。
私がそんな調子だと彼もそれを感じ取って、長い学問人生をつまらなく思うかもしれない。でも何かの動機づけをしていけば、彼も何かを獲得しながら楽しく勉強できるかもしれない。
そして、私は考えた。なかなか思い浮かばなかったけど…
私は、2人の子どもの名前を考える時、「自分らしく自由に」という意味を密かに込めた。後付けかもしれないが、私が自分の価値を上げるために世間的な価値獲得に必死になったことがむなしくて、彼らには、自分の感性や個性にもとづいて人生を楽しんでほしいと。
だから、私ならこう言うかな。
「勉強は、自分らしさを見つけるためにある。みんなに合わせる必要はないよ。自分らしさややりたい事を見つけるには、ちょっと時間がかかる。だからいろんな事を知って、自分の興味ある事は何か、わかるために勉強するんだよ。100点をとれなくても、わからない事がわかる事が素晴らしいことなんだよ。自分をわかるための勉強だよ。冒険、探検といっしょだよ。」
「自分らしさを見つける冒険」
息子だけでなく、遅ればせながら今私がやっていることでもある。